ワーケーションとは?

ワーケーションの歴史

(現在準備中です)

ワーケーションの7つのタイプ

ワーケーションとは、非日常の土地で仕事を行うことで、生産性や心の健康を高め、より良いワーク&ライフスタイルを実施することができる1つの手段です。

もともとは、ワークとバケーションの造語ですが、日本の実情に合わせて、必ずしもバケーションだけではない取り組みが各地域で行われています。広義化するワーケーション(Work  + ation)を踏まえて、日本ワーケーション協会では、7つのタイプに定義しています。尚、この7つのタイプのワーケーションは2つ以上を組み合わせることも多く、それぞれの実施者における現状のワーク&ライフスタイルによって変化します。(尚、長野県では、ワーケーションをリゾートテレワークと称してプロモーション活動を行っています)

1.     休暇活用(観光等)型(Vacation)

休暇で観光を楽しみつつ、普段の仕事を行うタイプを指します。事業者における主なアプローチ先は、フリーランスや個人事業主等で、実施期間は2~3日と短めのものが多いです。プライベートも含め、原則費用は個人負担です。日本では休暇も旅行も短いのが課題となっています。インバウンド向けのワーケーションは、この休暇活用(観光)型に含まれ、外国人観光客の場合は、長期間の滞在が見込まれます。

2. 拠点移動型(不動産型)(Location)

生活や働く拠点を動かし、分散させていくタイプを指します。事業者における主なアプローチ先は、転居であれば個人、オフィス移転であれば企業の総務等となります。一定期間の実施が見込まれます。企業が合理的な範囲での通勤費を負担します。新型コロナウィルスの影響で、2020年に増加したタイプの1つです。

3. 会議型(Communication)

普段の職場と異なる場所で集中討議を行い、プロジェクトの立案までを行うタイプを指します。事業者における主なアプローチ先は、企業の幹部層やその業務部等となります。実施期間は2~3日と比較的短いものが多いですが、プロジェクトの発表までとなります。企業内では、出張扱いとなります。プロジェクト合宿などが含まれます。

4. 研修型(Education)

普段の職場と異なる場所で集中的に研修を行う、教育の場となるタイプを指します。事業者における主なアプローチ先は、企業の人事部等となり、実施期間は数日~数ヶ月と幅が広くなります。企業内では研修中は出張扱いとなり、研修課題の検討と発表までを実施します。研修合宿などが含まれます。

5. 新価値創造型(Innovation)

企業間の交流を通じて新たなビジネスを生み出すタイプを指します。事業者における主なアプローチ先は、経営者や企業の研究開発、新事業開発部門等となります。一定期間の実施が見込まれます。出張扱いとなり、参加企業が共同で新規事業創出を目指していきます。異境地でのビジネスマッチングなどが含まれます。

6. 地域課題解決型(Solution)

地域の課題解決を目的としたタイプで、地域課題をテーマに組み込んだ研修活動、地域変革とその地域の新規事業を創出する活動、専門知識やスキルを無償提供し社会貢献するボランティア活動、本業以外で地方に関わる副業・複業の活動などがあります。事業者における主なアプローチ先は、研修は4と同様、新規事業創出は5と同様、社会貢献活動は個人あるいは企業のCSR部門等、副業・複業は個人となります。実施期間は数日〜数ヶ月と幅が広くなります。

7. ウェルビーイング(福利厚生)型(Motivation)

保養所、健康増進、リカレント教育(学び直し)等の社員の動機づけのメニューとなるタイプを指します。事業者における主なアプローチ先は、企業の人事・総務・健保組合・福利厚生サービス事業者となり、実施期間は数日〜数ヶ月と幅が広くなります。福利厚生費として企業が負担します。カフェテリアプランで社員が選択できるようにすることで、多様化するニーズに対応できます。

企業にとってのワーケーションの意義

社員に提唱する多様な生き方・働き方

Vacationの文化に乏しい日本において、「企業としてどんなメリットがあるのか?」、「社員の個人的な旅行のために企業が経費を負担するのか?旅先での労働を会社が命じるのか?」等、様々な疑問が生じていますが、ここでは、ワーケーションを「多様なワーク&ライフスタイル(=生き方・働き方)」の象徴として捉えたいと思います。

その上で、その土地でしかできないことや、その土地で関わることでの個人・地域・企業それぞれにとってのメリットを共に考え創造していきます。また、企業の制度導入においては、社員に対して、単なる労働の疲労回復のための有給消化ではなく、充実した余暇を過ごして、生活の質の向上につながる選択肢を増やし、イノベーションを生み出す力、延いては、豊かな社会の実現につなげることが重要です。

ワーケーションにおける効果事例は下記をご参照ください。

企業にとってのメリット
・働き方改革への対応
・休暇取得、福利厚生の向上
・自由度の高い働き方を社員に提唱
・環境を変えることで、クリエイティブな発想が生まれやすくなる 等

HafHを提供する株式会社KabuK Styleは、企業がワーケーションに期待すべき5つの効果を提唱しています。

企業への導入のステップ

ワーケーションの企業への導入に向けて以下のステップで検討を進める必要があります。

1. 自社の課題を見直す(有給消化?離職率?人材育成?)
・課題によってやるべきワーケーションの姿が異なる
・そもそも、テレワークをどこまで導入できるか?

2. 自社に見合うワーケーションの姿を考える
・上記1. で見つけた自社の課題解決にワーケーションが適うかを検討する
・新たなプロジェクトの必要性→ワーケーションタイプ3,5,6より検討
・地域課題解決、CSR活動→ワーケーションタイプ2,4,6より検討
・有給消化の課題→ワーケーションタイプ1,7より検討
・社員が全体的に自由な活動をしている→ワーケーションタイプ1,2,5,6,7より検討
・離職率の課題(就労満足度の向上)→ワーケーション2,6,7より検討(ただし、経営層がワーケーションタイプ1を実施することも検討)

3. それに見合う社内規則になっているか
特に、社内規則のない中小企業もあります。元々自由な働き方の会社であれば、その現状を規則にすることで、これからの就活生への大きなPRポイントとなります。以下のポイントを見直します。

テレワーク型での就業規則として意識すべきポイント
・就業時間
・PCでの勤務時間管理方法
・通信代、電話代の経費負担
・サテライトオフィスやコワーキングスペース利用時の経費負担
・有給取得に関しての規定
・仕事する場所(場所は問わないのか)
・緊急時の対応について(災害時の連絡方法、病気・体調不良時の連絡方法)
・経費負担(交通費・宿泊費)

ただし、特に大企業になるほど、全社統一で実施するのが難しいが、部署毎に可能というケースもあると思います。まずは、部署毎に「試しにトライしてみる」事が重要で、各社に見合うワーケーションタイプを実践してみましょう。

地域にとってのワーケーションの意義(受け入れ側の事業者も含む)

交流人口の増加と企業誘致、雇用創出効果

少子高齢化、東京一極集中などにより、今まで地方においてはかなりのダメージを年々受けてきました。そんな中で広義化するワーケーションにおいて、様々な目的の方々が地域を訪れます。通常の観光施策では、消費のみに頼った経済活動となりますが、ワーケーションにおいては、将来的な移住促進や企業誘致、起業に繋がる可能性も秘めており、地域にとって取り組むメリットは十分高いものと言えます。

地域にとってのメリット
・交流人口の増加
・地元経済への還元
・長期滞在者の増加
・テレワーク環境の整備、推進
・将来的な移住、企業移転の足がかり
・地域のブランディング 等

ただし、この課題に取り組む地域が増えていることで、過当競争にもなる可能性があります。その中で意識すべきことは下記通りとなります。

1. 地域の現状を確認する
・地域の特徴、魅力、課題が何なのか
・地域のアクセス面の優位性を確認
・地域におけるワークスペースや宿泊施設、体験プログラム、通信環境の現状
・事業者のワーケーションへの理解度

特にアクセス面やワークスペース、通信環境に於いて、関東圏を始めとする「利用者の利便性」に立って分析する必要があります。

また、ワーケーションの前提となるテレワークを地域で普及させていくことも大切です。地元の人たちがテレワークをしたり、自然に集まる快適な場を作ることで、地域内外の人たちが互いの価値観を共有し合い、より良い相乗効果を生みます。

2. 他の成功地域の事例を学ぶ、目的の設定

ワーケーションの事業に関しては、日本でも少しずつ成功事例が増えてきています。特に名高い地域は和歌山県、長野県であり、その両県の参考になる部分を中心に、その他の地域の事例を学ぶ必要があります。

・和歌山県

・長野県

事例を学んだ上で、地域としての取り組みの目標を設定することが重要です。

3. 地域事業者の啓蒙活動

・外部有識者を招いた勉強会やセミナー

地域としての目標を設定した上で、地域事業者のテレワークやリモートワーク、ワーケーションに対する理解度を上げていくステップが必要となります。成功事例の自治体や、ワーケーションを事業として取り組んでいる事業者等の声を聞きながら、ワーケーションへの理解度を高めていきます。この啓蒙活動においては、テレワークやリモートワークの理解度を高めることも非常に重要となります。

4. モニターツアーで外部の意見を取り入れる

地元事業者の啓蒙活動と合わせて、外部有識者やワーケーション実施者を招いたモニターツアーの実施を行うステップです。これは地域の課題を見つけるのに適していて、例えばWi-Fi環境が整っていると思っていても、実際の利用者から見ると速度が遅かったり、ワークスペースがあったとしても、オンライン会議に適していないと感じたりなど、様々な改善要素が生まれてくるでしょう。

5. 交流人口の増加、地域課題解決へ

3,4のステップを経て、地域外のワーケーションによる訪問者と地元事業者の意識が少しずつ近くなり、交流をするきっかけを作っていくことで、地域に魅力があればリピーターが現れてきます。何度も訪れてくるリピーターに対して、2拠点居住や地域課題解決の観点等で自治体が支援しながら地元と溶け込む事で、新たな交流人口の発掘となります。

ワーケーションで長期滞在・リピーターを狙いたい、さらに、できれば移住を促したい、そこが地域課題の本質なのであれば、訪れる人と地域住民とが、お互い良い関係を継続していかなければなりません。

ワーケーションを推進する自治体や事業者は、地域住民とワーケーションで訪れる人の双方のメリットを明示する必要があります。活動を推進していく中で、外の人が疎外感を感じる、逆にわずらわしさを感じる、地域住民が外から来た人に不安を感じる、あるいは受入おもてなしを負担に感じるなど、当初の思惑とは異なる課題が出てくるかもしれません。ワーケーションに訪れる人とその地域の相性を確かめながら、丁寧に人間関係を繋いでいくことが肝要です。そのためには、コーディネート役が地域側に必要となりますので、1〜4の過程の中で育成することも重要です。

個人にとってのワーケーションの意義

個人が生きる時代に、新たなワーク&ライフスタイルを

日本は高度経済成長期より、企業に属し、定年まで働き続けることが基本とされてきました。しかし、近年では、転職することも当たり前になり、また1つの企業で働き続けるとしても「個人」としての成長が非常に大切な時代になりつつあります。テレワークの普及は、少しずつ時間労働から、成果主義に変わるきっかけになるかもしれません。

そのような社会の流れの中、「個人」が豊かに生きるワーク&ライフスタイルが求められてきています。ワーケーションはその中の1つの要素として、個人の成長に繋がる手段となります。個人が取り入れられるワーケーションの種類は今のワーク&ライフスタイルの環境によって左右されます。

個人にとってのメリット
・自律的で自由度の高い働き方の実現
・日常の組織から離れた越境的な学習
・複業、副業、趣味の活動もしやすい
・働き方の選択肢が増える
・環境を変えることで、クリエイティブな発想が生まれやすくなる 等

個人にとってのワーケーション導入のステップについて、神奈川ワーケーションNavi福田編集長により下記のように触れられています。

【ステップ①】在宅テレワーク勤務への投資
【ステップ②】近隣のコワーキングで「出会いの練習」
【ステップ③】ご近所ワーケーションで「セレンディピティー」を生む
【ステップ④】本格的なワーケーションで自立したライフスタイルを!

ワーケーションの魅力の1つは、普段の生活で出会えない人と出会うこと。そのためのステップとして、上記があると述べられています。