先駆者たちが大集合!G7・五島ワーケーションサミットを開催しました

2021年6月6日(日)当協会主催、五島市共催の「先駆者たちが大集合!G7・五島ワーケーションサミット(第3回地方を元気にするワーケーションフォーラムin五島)」を開催致しました。

合計150名以上の方にご視聴を頂き、重ねてお礼を申し上げます。

本フォーラムに関して以下のとおりご案内致します。

講演資料

登壇時に使用した資料は下記にてご覧になって頂けます。

講演:「リモートワーク、ワーケーションを通した働き方、生き方の変化とは?」(株式会社KabuK Style 共同代表/大瀬良 亮 氏)

取り組み紹介:「五島市のワーケーションの取組」(五島市役所地域振興部・地域協働課長/庄司 透 氏)

ディスカッション自己紹介①(毎日みらい創造ラボ・毎日新聞記者/今村 茜 氏)

ディスカッション自己紹介②(日本航空株式会社人財本部人財戦略部アシスタントマネジャー/東原 祥匡 氏)

質問と回答

Q1. 発表があった事例では、いずれもわーケーションの中でプログラムを組み、地域の企業との課題解決のためのマッチングの場や地域住民との交流の場を設けておられるような印象を受けましたが(その方が単なるホテルに泊まって仕事して帰るよりは地域にとって有意義ではあるかと考えますが)、一般的にワーケーションというのは、このような出会いの場的なもののプログラムを作るのが主流なのでしょうか?単にワーキングスペースを用意するとかくらのものが主流なのでしょうか? 感覚的なものでよいのでお教えいただければ幸いです。

A1. (回答者:JAL東原氏)弊社の場合、休暇の取得促進の位置づけもありますので、ワーキングスペースの利用も必須ではなく、休暇先帰省先での滞在を自身でアレンジし、さまざまな取得方法があると感じております。ただ、現地でのプログラムへの参加をきっかけとしてワーケーションに初めてチャレンジをするケースを会社企画としては行っており、その場合は地域と関わりなどに付加価値を感じ実施することや、その重要性に気づくケースが多いと感じています。ワーキングスペースについて、コロナ禍を迎えより質を高めることが重視されてきており場所の重要性も感じています。

(回答者:五島市庄司氏)受入れ側となる五島市では、市民の方にもメリットがあるように取り組んでるため交流の場を設けています。訪れる方が仕事をするだけなら、ワーキングスペースがあれば良いと思います。ワーケーションに正解はありませんので、訪れる方、受入れ側が何を目的にしているかをお互いが理解して取り組むことが必要だと思います。

(回答者:毎日みらい創造ラボ今村氏)ワーケーションの実施目的や形態によるかと思います。ワーケーションは明確な定義がまだなく、形態も様々。会社派遣なら人材研修型や福利厚生型、働き手が自分の意思で行くなら仕事集中型や多様な働きかた型などがあります。実施主体者が、多様な働き方で地域の方と交流して人脈や視野を広げたいと思えば、地域とのつながりが必要になりますし、集中できる場所で仕事がしたいと思えばホテルだけでもいいと思います。どちらが主流、と言えるほどはっきり市場が区別できているわけではなく、どの場所・事業もグラデーションがあると思います。ただ、成功しているのは地域とのつながりがある例(他の場所に代替しにく例)、だと感じています。

(回答者:和歌山県桐明氏)両方ともワーケーションではありますが、似て非なるスタイルがワーケーションという言葉に包含されているもの事実だと思います。全体としては個人型の自由なワーケーションの方がハードルが低く先行しており、交流型は先進自治体等が展開している印象ですが、今後、ローカルに注目が集まる中で、より交流に重きを置いた事例等も出てくるかと思います。
参考(企業側目線でのワーケーション分類)

Q2. 将来的に個人向け(家族連れも含む)のワーケーション受け入れをどうしていくべきと考えているか。五島のような期間や人数限定の受け入れを継続していくか、通年でフリーで受け入れていくようなものにしていくべきなのか。

A2. (回答者:JAL東原氏)限定的なものでなく恒常的に実施できる環境ができることは理想と思います。自身が行いたい時期は受け入れ側の都合ではなく、自身が行いたいタイミングかと思います。ワーケーションだけでなく、教育の課題、ITツールや設備など他にも課題はあるかと思いますが、制約を少しでもクリアにしていくこととして、通年での受け入れは求められればと思いますし、将来的な二拠点生活や移住へのハードルも下がると思います。

(回答者:五島市庄司氏)ワーケーションは、通年でフリーで行なわれるのが理想だと思います。五島市はワークスペースなどのコワーキングスペースが少なく、ワーケーションの認知、仕組がなかったためイベント的に行なっていますが、少しずつ受入れ環境が整備されてきています。受入れ側はどのような受入れをしているのかを発信する必要があり、訪れる方も行先の受入れ環境を理解されて行う必要があると思います。

(回答者:鳥取県岡本氏)一自治体、施設で通年、期間限定両方をカバーするのではなく、ある程度の圏域内で両方あることが望ましいと考えています。保育や、教育、働く場などのエッセンシャルなサービスは通年が望ましいですが、各地域にはその時期ならではのアクティビティや学びの資源がたくさんあります、それらを活かした季節プログラムの両方があることで選択の多様性が生まれると思います。

Q3. 親子ワーケーションを実施するにあたり、保育園や学校以外の場所で子どもを預かる上での資格条件(保育士資格)等はありますか?

A3. (回答者:毎日みらい創造ラボ今村氏)参加する子どもの年齢と人数によります。前提として、子どもはトータル10人以下を想定してお答えします。小学生だけなら特に免許がなくても大人の引率者が1人か2人いれば十分と思います。未就学児が入ると事情が変わります。4歳年中・5歳年長がいる場合、その子の成長段階に応じて、引率者を増やすか、有資格者を1人入れるかの検討をします。3歳年小以下がいる場合には、必ず有資格者を入れるようにしています。もし有資格者が見つからなない場合には、保護者同伴をお願いしています。資格は、保育士、幼稚園教諭、看護師、小学校教師、など様々で、保育士に限るわけではありません。また、資格がなくても「キッズスペース運営」など職務経験があれば適任と判断することもあります。
いずれにしても、完全な「保育」はうたえないので、「見守り要員は配置しますが、あくまでも保護者の管轄のもと、お仕事をしてください」となります。

(回答者:みつめる旅鈴木氏)五島の場合は、コワーキングスペース内のキッズスペースで見守りサービスをする場合、親がその場を離れない、オムツ替えや食事は親が責任を持ってするという条件で預かっています。有資格者のスタッフが対応していますが、その程度であれば地域の子育てサポートの方でも対応可能だと思います。アウトドアスクールは、やはり危険が伴うので、海外でキッズキャンプのトレーニングを受けたプロが対応しています。

Q4. 五島市の受け入れ態勢の中で、子どもの1日入学・入園を受け入れるとのお話しがありましたが、実際に利用された人数はどれくらいですか?また、コロナ対策等で受け入れに対して反対意見等はありませんか?

A4. (回答者:五島市庄司氏)2019年5月-6月(webメディア主催)14人、2020年1月-2月(五島市主催)10人、2021年1月(五島市主催 ※コロナ再拡大により中止)36人でした。2021年1月は中止としましたが、コロナ対策のため学校、保育園での受け入れは行わず、アウトドアスクール、コワーキングスペースでの見守りサービスを行う予定にしていました。

Q5. 「ワーケーション」と「旅行中に数日仕事する」は何が違うんだろうと考えていました。ワーケーションというラベルを付ける方がマーケティングはしやすいと思う一方で、ユーザー側からすると若干ハードルが上がる感じがして(コミットメントとか熱量のお話がありました)、個人としては旅行中に一時的に集中して働ける環境が確保できればそれでいいんだよなーと。

A5. (回答者:毎日みらい創造ラボ今村氏)会社員からすると、その日が出勤日扱いか休日扱いかで大きく変わります。私は会社員なので、その視点からお答えすると、従来の旅行中の仕事=ただのサービス残業(仕事をしている時間は勤務時間ではなく費用も自腹)、ワーケーション=出勤日と認めてもらっての旅行(仕事をしている時間は勤務時間であり、費用は個人都合で行く場合には自腹、会社都合で行く場合は会社経費)、という区別です。
前者は今でいう「隠れワーケーター」で昔から存在しましたが、後者は「ワーケーション」という概念がうまれてから認められるようになった働き方だと思います。私が18年夏に親子ワーケーションに初体験したときには、経費は自腹、でも勤務日と認めてもらいました。そうすることで休みをとらずとも、子どもを旅行に連れていくことができました。
一方で、フリーランサーや会社経営者の方は、会社から勤務認定を受ける必要がないので、「ワーケーション」と「旅行中の仕事」の境界はもっとあいまいかと思います。

Q6. 自治体の方々に。ワーケーションへの取り組みはいつまでお続けになるご予定ですか?期間内にワーケーションにはどこまで期待していますか?

A6.(回答者:和歌山県桐明氏)和歌山県では持続可能なワーケーションモデルの構築に取り組んでおり、行政の手を離れても、地域と都市部が繋がってWin-Winになることのできる受け入れ環境の整備・自走を進めています。また県としてもワーケーションというスタイルの社会的な浸透を目指しており、長期的に推進に取り組んでいく予定です。
その推進の中で、都市部から県内への人材の流れを作ることで大きなコミュニティを作り上げて、イノベーションが生まれる地になることを目指していきます。

(回答者:五島市庄司氏)五島市はワークスペースなどのコワーキングスペースが少なく、ワーケーションの認知、仕組がなかったためイベント的に行なっていますが、少しずつ受入れ環境が整備されてきていますので、行政が行うのはあと数年だと思います。
ワーケーションは訪れる方と受入れる側が交流することで人づくり、地域づくりにに繋がります。これにより受入れ体制や仕組みができることを目指しています。

(回答者:鳥取県岡本氏)過去、ワーケーションという名前がなくても、ワーケーションのような働き方、地域との関わり方はあり、行政の取組もありました。ワーケーションに特化したコワーキングスペース・宿泊施設の環境整備やプログラム造成は、ここ数年のものと思いますが、都市人材と地域のマッチングという意味では継続していくものと考えます。短期的には都市人財と地域との関係形成が自転していく状態を目指しています。

イベント詳細

イベントの詳細は下記をご覧ください。

関係者のリンク

◆HafH

◆和歌山県

◆鳥取県

◆毎日未来創造ラボ(親子ワーケーション部)

◆一般社団法人みつめる旅

◆日本航空(ワークスタイル変革)